結婚記念日にお花を贈るのは旦那様から奥様へが定番ですが、実はお子様からご両親に贈りたいというご相談も少なからずあります。
ご自身の親にお花を贈るなんてとっても素晴らしいお子様だと思いますが、本人は少し気恥ずかしさもあり、誰かに相談はしづらいのではないでしょうか?そんな殊勝な方向けにお花屋さん目線で、気にすべきポイントをお伝えしたいとお思います。
①お花の贈り物の種類
お花の贈り物は、「生花」と「プリザーブドフラワー」が定番です。ただ、ご両親に贈る場合は少しカジュアルなものもアリなので、「ドライフラワー」や「ハーバリウム」も選択肢に入ります。
それぞれの特徴を見て行きましょう。
生花
読んで字のごとく、「生きている花」です。自然のままのお花を加工せずに活けるタイプのお花です。
冠婚葬祭のようなフォーマルなイベントで見るお花は生花なので、イメージは付きやすいかと思います。
プリザーブドフラワー
英語の「Preserved(保存された)」の意味からも分かるように、長持ちするように加工されたお花です。ちなみに、「ブリザードフラワー」ではないのでご注意ください!(間違えたらちょっと恥ずかしいので注意!)
生花から色抜いて、保存させるためにグリセリンなどの保存液を染み込ませています。綺麗な色が付いていますが、これは後から着色しています。そのため自然にはない色があったり、選択できる色の種類が多いのが特徴です。
生花の水々しさには劣りますが、その他の加工に比べると生花に近い仕上がりになっています。加工の工程が入るため、生花よりいくらか高価になっています。
ドライフラワー
近年流行っているのがこのドライフラワーです。文字通り生花を乾かしたものです。独特の枯れた風な見た目になり、とてもオシャレな雰囲気が出ます。
水分は抜いているので、水をあげてお世話をする必要はありません。一応枯れた状態のお花なので、高齢の方にあげるときは変な誤解をされかねないので注意した方が良いでしょう。
ハーバリウム
ハーバリウムとは、「プリザーブドフラワー」や「ドライフラワー」をオイルに漬けてガラス瓶に保存したものです。
生花やプリザーブドフラワーよりも幾分カジュアルな印象です。入れるお花が少なく小ぶりになっても、瓶に入れることでオシャレな小物っぽくなるので、ショボく見えづらいのもポイントだと思います。
②他の人はどれくらいのモノ(予算)を買っているの?
ご予算7,000円〜10,000円の方が多いです。贈り物全般では5,000円〜10,000円を予算にされている方が多いので、それよりも若干ご予算お高めのようです。
ご両親にお花を贈るタイミングとなると、結婚記念日20周年や30周年という節目に当たるので、少し豪華なものを贈ろうとされているのかなと思います。また、兄弟姉妹がいると割り勘できるので、高めの予算で検討できるという背景もあるでしょう。
そんなに予算をかけられない場合は?
まだお若い方で、お小遣いやバイト代から高い予算を捻出できないケースもあると思いますが、全く問題ありません。
こういうケースはほとんどの場合、ご自身の両親宛(義両親ではなく)になりますが、可愛いお子さんから貰うお花であれば、どんなものでも喜んでくれます。
※ただし、仏花だけは避けましょう!
おすすめその1:一輪だけ、もしくは一種類のお花だけ
お花屋さんにもよりますが、2,000円〜3,000円の予算で「花束」や「アレンジメント」を買おうとすると、小ぶりすぎたり、ボリューム不足でスカスカになったりと見栄えがイマイチになってしまいます。
いっそのこと、一輪だけ贈るのはアリです。小さめの花瓶やコップに一輪だけお花を活けておくのは案外様になるものです。ご予算は、数百円から高くても2,000円くらいです。
もしくは、同じ花をご予算に合う本数分買うのもおすすめです。色んなを花を組み合わせてデザインするとどうしてもボリューム不足になりますが、同じ花だけを束ねるだけならその心配はありません。
おすすめその2:ハーバリウム
ハーバリウムは2,000円〜3,000円が相場なので、比較的安価で様になる贈り物ができます。幾分カジュアルにはなりますが、ご自身の両親であれば問題ないかなと思います。
③お花を選ぶときに気をつけること
基本的にお花は、仏花を除けば何を選んでもOKです。お花屋さんに、ご両親の好きなお花や、好きな色、または店内にある出来合いのものから贈りたいイメージに近いものを伝えて、あとはお任せするのがおすすめです。
ちょっと細かいですが、お花屋さん視点から気にしておくと良いと思うことをピックアップしました。
花言葉は気にしなくてOK
お花屋さんに来る方で、花言葉を聞かれるケースは結構多いです。
衝撃的な情報になるかもしれませんが、実はお花屋さんは花言葉でお花を選ぶことをオススメしていません。。。その理由は、同じ花の中にも複数の花言葉があり、矛盾する花言葉がついているケースが散見されるからです。
詳細を知りたい方はこちらもチェックしてみてください。
▶︎実は花言葉は意味がない?お花屋さんの本音
花言葉を意識して、せっかく綺麗なお花なのに選択肢に入らないのは、お花屋さん目線ではとっても残念なんです。次回お花を贈る際は、思い切って花言葉のことは忘れみてはいかがでしょうか?
色は少し明るめがおすすめ
これはご両親の年齢によります。若いご両親であれば、暗い色でもオシャレと受け取って喜んでくれるでしょう。
もしご高齢のご両親にお花をあげる場合は、色が暗いとお葬式や終末を連想させ、ネガティブに捉えられる可能性があります。そのため、特にこだわりがなければ明るめの色を選んでおくのが無難です。
お父様と被らないように注意!
結婚記念日の主役は当然ご両親本人です。そのため、お父様がお母様にお花をプレゼントする可能性も大いにあります。
お花をもらって一番喜ぶのはお母様と割り切って、事前にお父様が何をプレゼントするか聞いてしまうのもアリでしょう。お父様は生花を、お子様からはプリザーブドフラワーをあげて、それぞれ楽しんでもらうのも良いと思います。
お母様が活け花好きなら花束を
お年を召して時間に余裕ができてからお花を活けるようになった方が多くいらっしゃいます。お母様世代はちょうどそのような歳の頃かと思います。
こういう方は向けには生花の花束がおすすめです。しかもなるべく茎は長めに残しておいたほうが喜ばれます。お母様がもらった後に活ける楽しみまで計算しておけば、二重に喜んでもらえます。
④ご兄弟・姉妹で一緒にお花を贈るときの注意ポイント
ご兄弟・姉妹でお花を贈ろうとしているときは、代表の方が来店されてお花をお選びになることが多いです。その時にありがちなトラブルが以下の2点です。
- 代表の方がその場でお花を選びきれない
- ご予算をオーバーする際に、代表の方がその場で決断できない
トラブルというと大げさですが、代表で来店された方は結局持ち帰りで他の兄弟・姉妹の方と相談してからまたご来店いただくことになります。面倒な思いをしないよう、ご来店の前に「代表の方にお花の選択を一任する」「予算は幅を持たせておく」ということを兄弟・姉妹の間で決めておくと良いでしょう。
⑤ご両親宅の花瓶を要チェック
特にご両親と同居されていない方に注意してほしいです。
花束を贈っても花瓶がないと活ける場所がありません。また、花瓶があったとしても、高さと口の広さが花束と合っていないと、茎を切って活け直したり、花瓶を分けて活けたりする必要が出てきます。
花瓶の情報が得られない環境の場合は、花束以外を選んだほうが無難です。
花束以外で代表的なのはアレンジメントです。アレンジメントとは、花束とは異なり、すでに活けた状態でお花を提供するタイプのことを言います。カゴなどにベースと言われる給水スポンジを入れそこにお花を活けてくれます。そのまま置いて飾れるので、花瓶の有無は気にする必要がありません。
最後に…
最後まで読んでいただきありがとうございました!
ご両親にお花を贈ろうとされている時点でとっても親孝行なお子様であることは間違いありません。どんなお花でもきっと喜んでもらえると思いますので、自信を持ってお花を選んでみてください!